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小説 / エッセイ etc. twitter: @_sakurai_m

変わる人と、変わらない人。

この記事を書いた時は確か、12月の22日くらいで、思いっきり感情的にだった彼氏に「別れよう」と言われた直後だった。 この記事を書き終えて、さて、投稿しようか、というときに、電話が来て、仲直りしたいと言われた。長い電話だった。 その後、会いたいと…

2019年振り返り

今年はなんか人生で1番濃い1年だったような気がしたので、今までこういう記事を書いたことはないのだけれど、初めて書いてみようかなと思った。 どういう風に書くのがいいのか、パッと思いつかないから、素直に時系列で書く。 「1月」 当時の彼氏と、佐賀に…

愛の夢 #4

「俺はパクチーがいいかな。」 と秋生が言ったので、春子は少し驚いた。 「どうして?パクチーなんて、嫌いって言う人が多いのに。」 パクチーのことは、春子も嫌いだ。 秋生も食べられないじゃないか、と今の議論と全く関係ないことがわかっているのに、小…

好きな人ができた

二十五歳にして初めて、彼氏ができた、というより、好きな人ができた、という感覚を持つ。 好きな人は今までに出会ったことがないような男の人で、初めてがたくさんだ。 好きな人は、とてもクリエイティブだ。 もともと私は、絵を描くのが好き、映画が好き、…

ふたりのけしき

「誰かと過ごす部屋って、全部タイプが違っていて、全部好きだったな。」 と紗希子が言うので、弥生は今までの彼氏と過ごした部屋を思い出していた。 今付き合っている祐介の部屋が、一番好きだ、と思いながらアイスロイヤルミルクティーを一口吸った。 氷が…

愛の夢 #3

愛の夢 #3 写真を撮る習慣がなかったから、別れてしまうと秋生は本当に全く姿の見えない人になってしまった。 笑っていた顔も、少し神経質に私を心配していた眉間のシワも、なんだかもううっすらとして、2年間一緒にいたのにひと月でも随分と視覚的な記憶は…

愛の夢 #2

愛の夢#2 世界が終わる深夜に、牛丼屋へ行った。 朝の4時に、誰も彼も、犬も猫も、貧しいも富めるも、木々も花々も、傷みも喜びも、海も山も、空も大地も、何もかもが一切合切、なくなるらしかった。 今までも様々な文明の予言や地震予測などがなされ、すべ…

愛の夢 #1

愛の夢#01 「ああこの夕方の匂いは君と過ごした夏と全く同じじゃないか。」 口に出してみたら、何か劇的な、ロマンチックな現象が起こらないかと期待したけれど、無駄だった。 網戸にして、タイマーをセットしていた扇風機はとっくに動きを止めたようだった…